~「m乱」「耳付き」「晒し」「ロング」…知る人ぞ知る繊維用語の世界~
「布」というと服の素材というイメージが強いかもしれませんが、実際には──
- 建築現場の養生材
- 設備カバーや機械の防塵対策
- 工場ラインの搬送布やシート
- 工具巻きや資材梱包
など、あらゆる場面で産業資材として活躍しています。
今回は、そんな資材生地の世界を支える、業界ならではの“ちょっとクセのある専門用語”とその面白さをご紹介。
異業種の方にこそ「なるほど、そんな世界だったのか!」と感じていただける内容です。
①「m乱(メートルらん)」=だいたい〇〇メートルです
産業資材の現場では、「50mの布が欲しい」と発注しても、正確に50.00mとは限りません。
「50m乱」の反物なら、実際は48.7mかもしれないし、52.3mかもしれない。
これは「m乱」と呼ばれる、あくまで“目安”のメートル数です。業界では「乱尺(らんじゃく)」とも言われます。
なぜそんなアバウトな単位が使われるのか?
理由は合理性。
- 繊維製造時、糸や織機の状況で多少のばらつきがある
- 毎反ごとに正確に長さを切っていたら、非効率&ロスが出る
- 産業資材用途では「多少前後しても問題ない」場合が多い
【活用のヒント】
- 「布の正確な長さがそこまで重要でない」場面では、m乱反物を使うことでコストダウンや納期短縮が可能です。
②「晒し(さらし)」って、漂白のこと?
「晒し(さらし)」とは、もともとは綿や麻などの天然繊維を薬品や水で漂白・洗浄する工程のことを指します。
ですが、業界ではこの「晒し」が転じて、
未染色の白い生地そのものを「晒し」と呼ぶケースも多いんです。
例)「綿カツラギの晒し」=染めていない真っ白な綿の厚手素材
ちなみに、「生成(きなり)」とは晒しの前段階。
漂白していない、自然な黄みがかった色を指します。
【活用のヒント】
- イベントや現場で無地の白布が必要なとき、「晒し」と言えばスムーズ
- 「きなりでいい」と言えば、自然な風合いの生成り色が手に入ります
③「ロング」とは、ただの長尺じゃない?
「この反物、ロングでお願いね」
業界でよく聞くこのセリフの「ロング」は、実は明確な定義がないことも多いです。
が、だいたいの目安としては──
- 通常反物が30〜50m程度の場合
- 「ロング」と言えば、80m以上の長尺巻きを指すことが多いです
【ロングのメリット】
- 継ぎ目なしで一体的に使える
- 現場での切断や貼り合わせが減る
- 保管や搬送効率が良い場合もある
【注意点】
- 重量が重くなるため、運搬や取り回しには注意が必要
- 梱包サイズに制限がある輸送手段では適さないことも
④「打ち込み」って、叩くの?→違います
「この生地、打ち込み甘いな〜」なんて言われるとビックリしますが、
これは生地の密度=1インチあたりの糸の本数を指す専門用語です。
- 糸がびっしり詰まっている → 打ち込みが良い
- スカスカで目が粗い → 打ち込みが甘い
打ち込みが高いと、
- 防風性や遮光性が高まる
- 耐久性が上がる
- 滑らかで高級感が出る
逆に、通気性を求める用途ではあえて打ち込みを甘くしたものもあります。
【活用のヒント】
- 「埃を通さない布がほしい」「遮光したい」などの条件では、打ち込みの良い布を選ぶのがコツです。
◆まとめ:専門用語は敷居ではなく、ヒントの宝庫
「生地の世界って難しそう」と思われるかもしれませんが、
実は言葉の意味を少し知っておくだけで、素材選びの精度が一気に上がるんです。
産業資材においても、以下のようなメリットが生まれます:
- 誤発注を防げる(「耳付き希望」が伝わる)
- 無駄を減らせる(「m乱」でコストダウン)
- 最適な素材選定ができる(「打ち込み」や「晒し」の指定)
資材調達・設備管理・施工計画などで布の選定が関わるご担当者さまへ
「布のことはよく分からないけど、性能・コスト・納期を両立させたい」
そんなときは、ぜひ弊社にご相談ください。
用途や現場条件に応じて、業界ならではの専門知識を“わかりやすく翻訳”しながら最適な素材をご提案いたします。































