織物と編み物の違いとは?―基礎から資材用途まで解説

私たちの身のまわりにある「布」は、大きく分けて「織物(おりもの)」と「編み物(あみもの)」に分類されます。どちらも繊維から作られる生地ですが、その構造・製法・特性には大きな違いがあります。

今回は織物と編み物の違いについて、基本的な知識から工業資材や産業用途における活用の視点まで含めて解説いたします。


織物とは? ― 糸を「縦横」に組み合わせる技術

織物は、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を直角に交差させて作る生地です。古くから使われている技術で、平織り・綾織り・朱子織り(サテン織り)など、さまざまな織り方があります。

特徴:

  • 張りやコシがあり、寸法安定性が高い
  • 引張りや摩耗に強く、耐久性が高い
  • 比較的通気性が抑えられ、密度が高い

資材用途の例:

  • フィルタークロス
  • コンベアベルトの基布
  • 遮光・防炎カーテン資材
  • 補強材(補強布・積層材用基布)

織物は寸法が狂いにくく、加工や後工程での精密な位置合わせが必要な用途に適しています。


編み物とは? ― 糸を「ループ状」に絡めて作る生地

編み物は、糸をループ状に絡めて網目構造で作る生地です。天竺(てんじく)編み、リブ編み、トリコット、ラッセルなど、多様な編成技術があります。

特徴:

  • 伸縮性が高く、柔軟で動きに追従しやすい
  • 軽量で通気性が良好
  • 縫製や加工がしやすい

資材用途の例:

  • ストレッチ性を活かしたサポーター・メディカル資材
  • スポーツ用途の裏地や吸汗速乾資材
  • 緩衝材の中材(パワーネット、ニットメッシュなど)
  • 建築・車両用の伸縮カバー類

近年では高機能糸との組み合わせにより、電波吸収材や導電ニットなどのハイテク資材としての用途も広がっています。


織物と編み物、どちらを選ぶべき?

選定のポイントは、「目的と求める機能性」です。

特性/用途織物編み物
寸法安定性高い低め(伸縮性あり)
強度・耐久性高いやや劣る(構造による)
通気性・柔軟性低め高い
伸縮性基本的になし高い(構造による)
適した用途精密資材、遮蔽、構造体衝撃吸収、密着性が必要な用途

繊維資材業界における展望

現在、織物と編み物のハイブリッド素材や、編み機による高密度構造の実現など、技術の進化により、これまでの用途境界が曖昧になりつつあります。

また、サステナビリティや軽量化の観点から、編み物の資材転用が拡大しており、従来織物で対応していた分野にも進出する動きがあります。


まとめ

織物と編み物、それぞれの構造と特性を理解することは、最適な素材選定の第一歩です。アパレル用途はもちろんのこと、フィルター・医療・建材・自動車・電子機器関連など、あらゆる業界で「布」の役割は進化しています。

生地選定にお困りの際は、機能や加工性、使用環境などに応じてご提案させていただきます。お気軽にご相談ください。

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